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2013年4月20日 (土)

国立大学法人の現場にはどういう課題があるのか?(2)

2に、研究面について、科研費の獲得にみられるように、個人研究では申請の工夫によって資金獲得には成果を上げている一方、研究コアの作り方に関して、大学の強みを生かした戦略の構築には課題が残っている。個人研究を越えて得意分野で大きな集積を作っていくことが、世界の大学の中で存在感を持つためには必須だが、ボトムアップの動きでは限界が感じられる。戦略づくりの根本にある「何を捨てるか」という判断は、大学教員が苦手とするものである。部局長クラスでも、この点については判断停止してしまう傾向にある。まして、オンリーワンを目指すブルーオーシャン戦略を打ち出せるようなネタは、容易に得られるものではない。研究センター構想を持っているグループは多いのだが、世界から認知されるには、あまりにも小振りな計画になりがちなのである。文部科学省科学技術政策研究所が、我が国の大学はどの分野を取っても東京大学を筆頭とする番付上位10大学が固定してしまっていることが、我が国の学術研究体制の問題点だと指摘しているが、先頭を追いかける第2グループの大学に、捨てる戦略がなければ、特定分野で突出することは難しいのである。

 

3に、コンプライアンスという面で、法人評価では、研究費不正やハラスメントなどの点がクローズアップされているが、研究に関する危険物の管理に関して、最低限の法令遵守を怠ってきたつけが回ってきている。多くは施設整備の際に必要な手続きであり、予算執行のスピードを優先したために、きちんと対応してこなかったようである。そのために、正確な現状把握さえもないがしろになってきたが、ようやく、データベースは整い、遅ればせながら、この点でのコンプライアンスを確立しようと動き出している。これまでの法人評価で、危険物の管理に関するコンプライアンスが問題になっていなかったことが私には不思議である。一方で重箱の隅をつつく、他方では大きな穴に気がつかないということでは、法人評価の信頼性という面で、まずいのではないか?

 

 

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