« 国立大学法人会計基準を経営のツールとして役立つものにできないか?(3) | トップページ | 誰が国立大学法人の経営責任を負えるのか?(1) »

2013年7月17日 (水)

国立大学法人会計基準を経営のツールとして役立つものにできないか?(4)

最後に、解決策を導くため基本となる考え方を、私なりに示しておきたい。第1に、基本的に企業会計に合わせるという割り切りをした方がよいということである。法人の内部では経営のPDCAを回すためのツールであり、外部からは経営状態を把握するためのデータであると位置づけて、基本的に大学法人ローカルだけに通用する特殊性を排することが、解決策の基本となるであろう。第2に、部局単位の損益をきちんと把握できる会計とすることである。そのためには、管理会計システムを導入することが求められる。これによって、経営者=学長のリーダーシップの下で、予算統制が始めて実効的になり、コスト計算に基づく経営努力が可能になる。教育研究に関する事業の基本単位は部局であるが、その経営状況が誰にもわからない状態が続いている。あえて無為無策で良いのならば放っておけばよいが、経営を改善せよというのならば、ツールとしての管理会計システムは必須である。第3に、目標として利益を設定して、資本蓄積を認めることである。法人の事業によって生み出された正当な利益は、資産として別途管理し、基本的には法人の判断で執行し、その代わり使途を公表するなど透明性を担保するよう義務づければよい。第4に、所要の引当金を設定することによって、隠れ借金をすべてなくすことである。以上については、私の短い経験に基づいて導き出したポイントに過ぎない。したがって、より広範な実務経験者の意見を集約して、会計基準の見直し作業を進めることが望ましい。全国の専門家には、積極的な発信を強く要請したい。平成28年度からの第3期目の中期計画期間の開始に、会計基準の見直しを間に合わせたいからである。そのことが実現して始めて、国立大学法人制度の幼年期に終わりが来るのだと思う。

 

 

« 国立大学法人会計基準を経営のツールとして役立つものにできないか?(3) | トップページ | 誰が国立大学法人の経営責任を負えるのか?(1) »

コメント

企業会計に合わせるべきとの結論ですが、何点か矛盾があります。企業会計こそ現金と損益の動きが合いません。修繕引当金も積む要件は国大も企業会計も一緒です。退職給付引当金も同様で、BSになくとも注記はあります。部局ごとの会計情報もいつセグメント情報の開示が詳細になるかどうか分かりませんので、大抵の大学では準備済だと思われます。
財源の処理がわかり憎い原因かと

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 国立大学法人会計基準を経営のツールとして役立つものにできないか?(3) | トップページ | 誰が国立大学法人の経営責任を負えるのか?(1) »

最近のトラックバック

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ