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2016年2月 3日 (水)

指定国立大学を成功させるためにはどんな制度設計が必要か?(1)

2015630日に、日本再興戦略改訂2015が閣議決定されているが、その中で、指定国立大学(当時は特定研究大学)について、「高い経営力と自由度を有し、国内外の様々なリソースを呼び込むことによりグローバル競争力を高める大学を形成するため、」制度を創設すると記されている。制度の具体的なポイントとして、世界水準の厳格な評価、徹底した情報公開、組織再編の柔軟化、定員管理の自由度拡大、資産運用・収益事業の自由度拡大、イノベーションを担う創業人材の育成、大学発ベンチャーの創出の促進などが列挙されている。これを受けて、文科省に設けられた「特定研究大学(仮称)制度検討のための有識者会議」は、本年113日に「審議まとめ」を行い、それを踏まえて、改正法案の検討が進められている。

 

「審議まとめ」に表現された指定国立大学像が、グローバルな競争に対応できるレベルを目標にしていることは理解できる。しかし、制度の根幹ともいうべき達成手段が、誠に心許ない。「高い経営力と自由度」をどう実現するのか、改正法案の骨子として、大学関係者の一部に流布している内容は、次の3点を可能とするものである。第1は、企業等にコンサルト事業を行う法人へ出資すること、第2に、法人の自己収入を投資信託等で運用すること、第3に、土地等を第三者に貸し付けること(ただし大臣認可が必要)である。これらは、一歩前進ではあろうが、とても世界との競争を支える大きなリソースを生み出す取り組みを可能とするものではない。国の予算を当てにしないで、自分で稼ぎなさいと言うならば、なぜ大胆に門戸を開こうとしないのか?こうした内容で、閣議決定の示すポイントに、応えたものと言えるだろうか?また、この程度の規制緩和で指定国立大学になりたがる大学があるのだろうか?このままでは、スケールが小さすぎて、成功は望めないので、どのような手段が必要か、考えを述べてみたい。

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