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2016年2月 3日 (水)

指定国立大学を成功させるためにはどんな制度設計が必要か?(3)

3に、私学並みの収益事業を行うことを、国立大学法人すべてに認めるべきである。せっかくの機会であるので、事実上、附帯事業として行われている収益目的の事業を全面的に解禁するのである。学校法人ならば、どんな小規模の法人でもできる収益事業を、なぜ国立大学法人には不可としているのか、理解に苦しむ。法人化の際に、私学とのバランスを取る意味で、規制を課したのかもしれないが、それから10年以上が経過して、国の予算は大きく削減されている。収益事業を解禁しても、削減された予算を取り返すほどの利益は出ないが、自己努力を求める方針ならば、制約は解除すべきである。この点も、いきなり全面開放に躊躇があるならば、時間差を設けて、まず指定国立大学を先行させることにしたらよい。

 

4に、海外分校の設置を国家戦略と位置づけて、分校の教育水準を検証しつつ、国内と同じ学位を授与することを可能にすべきである。豪州の大学は、海外分校で同じ学位を授与している。指定国立大学法人が、世界と競争するためには、豪州と同じ土俵で戦えるように、制度的な規制緩和が必要である。海外分校という戦略は、60歳代のシニア層の教員を派遣することによって、大学内部の人材を活用しつつ、空きポストを使って若手の採用促進につなげる意義がある。また、海外分校の卒業生は、将来、国内の大学院に進学する、現地に進出した日本企業に就職する、日本に居住する可能性を秘めている。質の高い人材を我が国に取り込む橋頭堡として、指定国立大学の海外分校設置を後押しする政策を打ち出してもらいたい。海外分校のインフラ整備に関しては、国の予算に依存することなく、海外に進出している企業等から出資を受け入れて進めればよい。まさに一粒で幾つもおいしい政策ではないか?ポイントは、同じ学位を、授業料や生活費が安い現地で、取得できるようにすることである。文科省が頭を切り換えれば、すぐにできる。私学の中にも、そうした経営戦略を持っている大学がある。そうした私学にも、規制緩和の道を開いた方がよい。

 

以上のようなインパクトのある規制緩和が盛り込めないとすれば、指定国立大学制度によって、我が国の大学の国際競争力が高まることはない。法律事項探しに困ってのことかもしれないが、国立大学法人評価委員会に外国人を入れるのは、使用言語を英語にするつもりがなければ、あまり意味がないので止めた方がよい。WPIのようなプログラムには、外国人の学識者を半数程度入れて、英語で会議を行う意味があるが、日本語が堪能で長く日本に住んでいるような人を12人加えたからといって、評価委員会の審議が劇的に変わるはずもない。とことんインパクトのない改正法案を作りたいなら別だが、品格が下がるので、本質的とは思えない事項は盛り込まない方がよい。

 

 

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