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2018年4月23日 (月)

大学の連携強化方策はどこがおかしいか?(1)

中教審大学分科会の将来構想部会において、種々の連携強化方策が提案されている。既に委員からも様々な意見が出ているようだが、現時点で気づいた点を指摘しておきたい。些か辛口になるが、議論の土台として使用に耐えるようにするには、相当の努力が必要だろう。

 

1に、大学等連携推進法人(仮称)については、次のような疑問がある。

 

まず、連携推進のために一般社団がなぜ必要かという点である。文科大臣による認定の効果がどの程度のものなのか不明だが、書かれている連携事業は、「認定」がなくても合意によって実施可能であろう。連携事業に参加する国立大学法人については、その中期目標・計画に記載することを求めれば足りると思われる。

 

加えて、国立大学法人は、そもそも一般社団の社員になれるのか?所要の資金を拠出できるのか?という疑問もある。この点は法改正を予定しているのかもしれないが、そのハードルはかなり高そうである。法制的な整理が必要という意味では、一般社団の活動と参加法人の活動の区分け(責任と権限の調整)をどうするか?という点もある。例示には、参加法人との契約で一般社団において共同事務を処理するケース、参加法人の合意に基づいて参加法人において一定のルールで事務を処理するケースが混在しているように見える。例示されている産学連携事務の共同処理は、TLOを介することで、既に可能になっているはずである。屋上屋を架する制度には合理性があるのだろうか?一般社団で教育活動自体を共同で行うとしている点については、特に法制的な整理が難しいのではないか?大学間の合意に基づき共同で教育活動することはできるのだが、一般社団の活動としようとすれば、反って議論が混乱する。それでは、何のための一般社団なのかという最初の問いに戻ることになる。

 

さらに、提案されている新たな仕組みがどこまでの意味を持つのか分からないので、次のような疑問が出てくる。例えば、研究開発法人が参画する意味は何か?一般社団の活動が共同事務処理まで含むとすれば、ノウハウのある営利企業を排除する必要はないのでは?国立大学法人を含む参画法人と一般社団の間の契約は、随意契約で行えるのか?同じ地域の国公私立大学が広く参加するような枠組みでは、戦略性のない浅薄な連携にしかならないのではないか?というような点である。制度の骨子が固まった段階で、こうした点を詰めていくことになるのだろう。

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